THE THIRTIES
1930年代
1933 | ジョンとアランのロマックス親子がアンゴラのルイジアナ州立刑務所を訪れ、レッドベリー(ハディ・レッドベター)を録音。 |
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1936 | ロバート・ジョンソン、テキサス州サン・アントニオのホテルにて初レコーディング。 |
1937 | ベッシー・スミス、ミシシッピ州で自動車事故に巻きこまれ死亡。 |
1938 | ニューヨークのカーネギー・ホールで1回目の『スピリチュアルズ・トゥ・スウィング』コンサートが開催され、ビッグ・ビル・ブルーンジーらが出演。 |
大恐慌の影響
1929年末の大恐慌によってレコード業界は大打撃を受けた。黒人たちは生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされ、とてもレコードを買う余裕などなくなってしまった。レコード会社は未知のタレントをさぐることに消極的になり、ブルースのフィールド録音の回数は一気に減らされてしまった。1930年代に入ってからも、タンパ・レッド、ビッグ・ビル・ブルーンジーなどの限られた数のスター歌手が都会的なスタイルで活躍したが、ダウンホームなブルースやジャグ・バンドをラジオやレコードで聴くチャンスはほとんど皆無と云っていいほどになった。南部の町では相変わらず、弾き語りブルースマンが歌い続けていた。ブラインド・ウィリー・マクテルのようにレコーディングをつづけた者もいたし、ロバート・ジョンソンのように新しくレコードを出した者もいた。しかし、こうしたレコードは、1920年代のブラインド・レモン・ジェファスンのレコードほど売れることはなかった。